こんにちは、佐野智也です。 48歳のしがない営業課長が、なんで胡蝶蘭なんて育ててるの?って思われるかもしれませんね。
正直言うと、最初は「胡蝶蘭=お金持ちの趣味」みたいなイメージがあって、自分には縁のない世界だと思ってました。 でも今は、朝晩の水やりが一日の楽しみになってるんです。
3年前、取引先からいただいた胡蝶蘭を枯らしてしまってから始まった、おっさんと花の物語。 今日は、胡蝶蘭を育てることが「かっこつけ」じゃなくて、どれだけ自分と向き合う大切な時間になったか、お話しさせてください。
きっと、「植物なんて育てたことない」「すぐ枯らしちゃうから…」って思ってる、昔の僕みたいな人に届けばいいなと思います。
目次
胡蝶蘭との出会いと最初の失敗
はじめての一鉢、「うちの子」になった瞬間
3年前の春、会社の移転祝いでいただいた白い胡蝶蘭。 正直、「どうしよう、これ」が最初の感想でした。
でも、毎朝出社してその花を見るたびに、なんだか心が落ち着くんですよね。 「おはよう」って声をかけるようになったのは、いつからだったかな。
気づいたら「うちの子」って呼ぶようになってました。 同僚には笑われましたけどね、「佐野さん、花に話しかけてるよ」って。
枯らしてしまったあの日:なぜダメにしたのか
でも、その大切な「うちの子」を、3ヶ月で枯らしてしまったんです。
原因は単純。 水のやりすぎでした[1]。
毎日毎日、「かわいそうだから」って水をあげ続けた結果、根腐れを起こしてしまったんです。 葉っぱがしわしわになって、黄色くなって、最後は茶色くなって…。
後で調べたら、胡蝶蘭を枯らす人のほとんどが、僕と同じ失敗をしてるそうです。 水やりは10日に1回くらいでいいなんて、知らなかったんですよ。
「もう一回ちゃんとやってみよう」と思った理由
枯れた胡蝶蘭を処分しようとした時、ふと思ったんです。 「このまま終わりにしていいのかな」って。
営業の仕事でも、最初の失敗で諦めたことなんてなかった。 なのに、たかが花一つ育てられないで終わるなんて、なんか悔しくて。
それに、毎朝「おはよう」って声をかける相手がいなくなったのが、思った以上に寂しかったんです。
だから決めました。 「今度こそ、ちゃんと勉強して育ててみよう」って。
胡蝶蘭を育てるという時間の意味
朝晩の観察:変化に気づくことの大切さ
胡蝶蘭を育て始めて気づいたのは、「観察する」ことの大切さでした。
朝、出勤前の5分。 夜、帰宅後の5分。
たったこれだけの時間が、僕にとってかけがえのない時間になったんです。
葉っぱの色は? 新しい根は出てきた? 花芽はどうかな?
小さな変化に気づけるようになると、不思議と仕事でも相手の表情の変化に敏感になりました。 「あ、今日は調子悪そうだな」とか「何か良いことあったのかな」とか。
水やり一つにも気持ちが出る
水やりって、ただ水をあげるだけじゃないんです。
植え込み材(水苔)を触って、乾き具合を確かめる。 鉢を持ち上げて、重さを感じる。 葉っぱの張りを見る。
「今日は水、欲しがってるかな?」 「まだ大丈夫そうだな」
そんなやりとりをしているうちに、なんだか対話してるような気分になってくるんです。
育てながら、自分の「今」と向き合っている
園芸には心理的な効果があるって、最近知りました[2]。 リラックス効果とか、ストレス軽減とか。
確かに、胡蝶蘭の世話をしている時間は、仕事のことを忘れられます。 でも、それ以上に大切なのは、「今、ここ」に集中できることかもしれません。
48歳にもなると、過去の後悔や将来の不安でいっぱいになることがあります。 でも、胡蝶蘭の前では、そんなこと考えてる暇はないんです。
「今日のこの子の状態はどうか」 それだけに集中できる時間が、どれだけ貴重か。
中年おっさんでもできた!家庭でのリアル栽培記録
うちの子たち紹介:ホームセンター出身の強いコたち
今、我が家には5鉢の胡蝶蘭がいます。 全部、近所のホームセンターで買った子たちです。
最初は高級な品種に憧れましたけど、ホームセンターのミニ胡蝶蘭で十分でした。 2,000円〜4,000円くらいで買えるし、意外と丈夫なんです[3]。
特にお気に入りは、ピンクの「さくら」(勝手に名前つけてます)。 去年の春に買って、今年も花を咲かせてくれました。
育成環境の工夫:日当たりと風通し、家にあるもので
我が家の胡蝶蘭スペースは、リビングの東向きの窓際です。
レースのカーテン越しに朝日が入る、絶好の場所。 直射日光は葉焼けの原因になるので、カーテンは必須です[1]。
温度管理は、普通に生活してれば大丈夫。 人間が快適な温度(20〜25℃)が、胡蝶蘭にもちょうどいいんです。
特別な道具は使ってません。 霧吹きと、100均で買った温湿度計があれば十分です。
失敗あるある:やりすぎた愛情、足りなかった観察
この3年間、いろんな失敗をしました。
失敗その1:愛情過多の水やり 最初の失敗から学んだはずなのに、また水をやりすぎて根腐れさせかけました。 「かわいそう」って思う気持ちが、逆に植物を苦しめるんですね。
失敗その2:真冬の葉水事件 「葉水をすると良い」って聞いて、真冬にスプレーしまくったら葉っぱがグニョグニョに。 寒い時期の水は、植物にとって拷問だったみたいです。
失敗その3:肥料のやりすぎ 「栄養たっぷりあげなきゃ」って思って肥料をあげすぎたら、逆に弱ってしまいました。 胡蝶蘭って、意外と少食なんです。
花が咲いた日の感動:言葉にならんくらい嬉しい瞬間
去年の春、自分で育てた胡蝶蘭が初めて花を咲かせた時のこと。
朝起きて、いつものように「おはよう」って声をかけたら、つぼみがほころび始めてたんです。
「咲いた!咲いたぞ!」
思わず妻を起こして見せました。 「何時だと思ってるの」って怒られましたけど、一緒に喜んでくれました。
その日は会社でも、誰彼構わず「うちの胡蝶蘭が咲いたんだ」って自慢しまくり。 48歳のおっさんが花の話で盛り上がってる姿、さぞかし滑稽だったでしょうね。
でも、いいんです。 あの感動は、経験した人にしか分からない。
胡蝶蘭から教わったこと
「完璧じゃなくていい」ってこと
仕事では完璧を求められることが多いけど、胡蝶蘭は違います。
水やりのタイミングがちょっとずれても、 温度が理想から外れても、 それでも健気に育ってくれる。
「だいたいでいいんだよ」って教えてくれてるみたいです。
待つことの意味、続けることの価値
胡蝶蘭の成長はゆっくりです。 花が咲くまで、何ヶ月もかかります。
最初はその遅さにイライラしました。 でも今は、その「ゆっくり」が愛おしい。
毎日少しずつ成長する姿を見守ることで、「待つ」ことの大切さを学びました。 仕事でも家庭でも、すぐに結果を求めがちだけど、本当に大切なものは時間をかけて育つんですね。
他人と比べず、自分のペースでやるっていいな
SNSを見ると、立派な胡蝶蘭を何十鉢も育ててる人がいます。 品評会で賞を取ったとか、珍しい品種を咲かせたとか。
最初は劣等感でいっぱいでした。 でも、ある時気づいたんです。
「別に競争してるわけじゃないよな」って。
自分のペースで、自分の楽しみ方で育てればいい。 5鉢だって、立派な胡蝶蘭コレクションです。
胡蝶蘭をきっかけに広がったつながり
園芸教室で出会った仲間たち
去年、思い切って地元の園芸教室に通い始めました。
最初は「48歳のおっさんが今さら…」って恥ずかしかったんです。 でも行ってみたら、同年代の男性も結構いて。
みんな、僕と同じような理由で園芸を始めてました。 定年後の趣味を探してる人、ストレス解消したい人、単純に花が好きな人。
地元サークルでの失敗談共有タイム
月に一度の園芸サークルでは、みんなで失敗談を共有します。
「水やりすぎて枯らした」 「直射日光で葉焼けさせた」 「植え替えで根を傷めた」
みんな同じような失敗してるんです。 それが分かると、なんだかホッとします。
失敗を笑い話にできる仲間がいるって、いいもんです。
質問されたことで気づく、自分の成長
最近、サークルの新人さんから質問されることが増えました。
「水やりのタイミングは?」 「この葉っぱの色、大丈夫ですか?」 「花が終わったらどうすれば?」
答えているうちに気づきました。 いつの間にか、それなりに知識が身についてるんだなって。
3年前の自分には想像もできなかった姿です。
まとめ
胡蝶蘭を育て始めて3年。 変わったのは、部屋に花が増えたことだけじゃありません。
朝晩の5分間が、自分と向き合う大切な時間になりました。 小さな変化に気づく目が養われました。 待つことの大切さを知りました。 失敗を恐れなくなりました。 新しい仲間ができました。
何より、毎日に「楽しみ」ができました。
胡蝶蘭を育てることは、決して「かっこつけ」じゃありません。 むしろ、泥臭くて、地味で、失敗だらけの毎日です。
でも、だからこそ面白い。 だからこそ、続けられる。
もし、この記事を読んで「ちょっとやってみようかな」って思ってくれた人がいたら、ぜひ始めてみてください。
最初は小さなミニ胡蝶蘭から。 ホームセンターで2,000円くらいで買えます。
失敗したっていいんです。 僕も、いまだに失敗してますから。
大切なのは、その失敗から学んで、また挑戦すること。 そして、毎日の小さな変化を楽しむこと。
「おっさんでもできた」んです。 きっと、あなたにもできます。
今日も我が家の胡蝶蘭たちは、元気に葉を広げています。 明日の朝も「おはよう」って声をかけるのが、今から楽しみです。
皆さんも、胡蝶蘭との素敵な時間を過ごせますように。
参考文献
ミディ胡蝶蘭とは?大輪との違いやギフトに人気の理由を解説!
園芸療法の健康効果とは – 健康長寿ネット